中小企業・店舗がFacebookを活用して得ることができる効果とは

最近、Webサービスに詳しいわけではない友達がFacebookを使いはじめたり、ビジネスでFacebookを活用しようというセミナーが京都でも行われていて、ユーザー層もビジネスにおける関心も広がってきているなと感じています。ビジネスでの活用については、書店でも多くの本がありますし、弊社への問い合わせも増えてきています。ただ、大きな期待を持って問い合わせをいただいた方には申し訳ないのですが、「Facebookをはじめれば売上がアップします」という説明はしていません。(売上に直結する施策をご希望の方には、リスティング広告アフィリエイトなどをご提案しています。)

では、いったいなぜFacebookがビジネスにおいて注目されているのでしょうか?予算の限られた中小企業や店舗がFacebookを活用して得ることができる効果とは、どのようなものでしょうか?上場企業から実店舗まで、Facebookの活用支援をさせていただいている経験をもとに、以下にまとめてみたいと思います。

結論

効果を一言でいうと、認知の拡大です。今まで自社のことや商品・サービスを知らなかった人に、知ってもらうことができる。ただ、これだけでは、折込チラシやその他の広告などでも同じです。では、Facebookの特徴とは何でしょうか。

Facebookプロモーションの特徴

初期コストをあまりかけない前提で、アプリケーションは除外して、シンプルに3つの特徴をあげます。

  • 商品やサービスに興味がありそうな人だけにアプローチできる(ターゲティングした広告配信)
  • ページにいいね!をしてくれた人のニュースフィードに、情報発信ができる(タイムラインでの投稿)
  • ファンからその友達に情報が広がる仕組みがある(投稿に対するいいね!やシェア)
    • ※以下、「ファン」とは、「ページにいいね!をしてくれた人」という定義で使用します

ターゲティングした広告配信

Facebookは、基本的に実名・実写真・実際の情報を入力して利用するSNSです。ビジネスでの活用の大きな特徴の一つが、この情報をもとにターゲティングしたユーザーのみに、自社の広告を配信できるということです。ターゲット設定可能な項目は以下のようなものがあり、自社商品やサービスに関連するものを趣味・関心に登録している人に配信したり、ファンの友達にだけ配信したりすることで、ページにいいね!をしてもらいやすいことが分かっています。

ユーザーの流れ

ターゲット設定可能な項目
  • 居住地
  • 年齢
  • 性別
  • 趣味・関心
  • つながり(ファンの友達など)
  • 恋愛対象
  • 交際ステータス
  • 言語
  • 学歴
  • 勤務先

タイムラインでの投稿と広がる仕組み

これは、以下の図を使って説明します。

1のファンに向けて情報発信というものが、タイムラインでの投稿です。ここがかなり重要で、ファンの心に響くもの・役に立つもの・面白いものなどでないと、2以降の広がりが生まれません。たとえファンが少ない初期段階でも、パソコンに向かって投稿するのではなく、ファンに向けて話しかける心づもりで投稿してほしいと思います。飲食店であれば素材へのこだわりや1品1品の料理へのこだわりを、伝統技術をいかした製品であれば先祖代々受け継いでこられたものを、新しいサービスであればそのサービスができるまでにどんな紆余曲折があったのかなど、それぞれの思いやストーリーを語ってほしいと思います。弊社でも、お打合せ時にお客様に語っていただけるようにヒアリングし、お客様とともに投稿の企画を行っています。また、投稿内容のテーマを週別や曜日別などで決めておき、定期的に投稿することを習慣化する工夫も大事です。このように、ファンにとって魅力がある投稿が増えてくると、ファンが投稿にいいね!やシェアをしてくれて、2のようにファンの友達に投稿が広がるようになります。それを見た友達の中から興味を持った人がページにくる、という3の段階に進み、いい循環になっていきます。

実店舗の場合

実店舗の場合、お店にチェックインした人にクーポンを設定することができます。チェックインというのは、自分の居場所を友達に伝える機能で、クーポンを取得するとその情報が友達に広がります。来店した人にお得というだけでなく、その人の友達に口コミのような形で情報が伝わるということです。この情報の広がりを促進するためには、クーポンを設定するだけでなく、店舗内のポスターやチラシ・卓上POPなどで告知することが重要です。弊社でも、お客様の店舗内で告知する用のポスターなどのデザイン制作も行っています。(事前にスポットのオーナー申請やスポットとページの統合が必要ですが、そのあたりの説明は省略しました。)

結論の補足

効果は認知の拡大、と書きましたが、ここまでご説明してきましたとおり、その方法はFacebook特有のものがあります。趣味・関心やつながりでの広告配信、ファンの友達に広がる仕組みがあり、そこに思いやストーリーを投稿することで認知が広がっていく、ということです。これを、よくマーケティングで使われるAIDMAやAISASなどの言葉で私なりに表現すると、以下のようなイメージになります。

注目してほしいのは、AISASではActionの後にあったShareが、Actionの前にあることです。コンバージョンに至る前の段階で、ページへのいいね!や投稿へのいいね!、シェアによって、情報が共有されるのです。ActionにつなげるためにはファンとのCommunicationが必要ですが、もっと早い段階でShareされることにより、認知が拡大するということです。ただFacebookをはじめれば売上がアップする、ということはありませんが、Attention・Interest・Shareを循環しながら、ファンとCommunicationし、Actionへつなげることで、売上につながると思います。友達がおススメしているものは信用度が高くなる、という心理もあり、実際に実店舗を運営されている弊社のお客様も、問い合わせ数やクーポン利用数が増えてきていますし、他社の調査結果でも売上につながったというものも出てきています。

ファンになってもらう方法は広告しかない?

弊社では、少ない予算でも広告は出し続けることをおススメしています。その理由は、少しずつでも新規のファンを増やしていくことで、そこから先への広がりが大きくなるからです。しかし、広告だけしか方法が無いわけではありません。自社WebサイトにLike Boxをつけたり、すでにメールマガジンを発行されている方はそこでの告知や、パッケージやチラシなど様々な場所に告知をすることで、ファンになってもらえる可能性は増えます。ネット上だけでなく、その他の媒体でも告知をしてもらえればと思います。

中小企業・店舗向けFacebook活用支援サービスのご紹介

ここまでご説明してきましたとおり、大企業ほど多くの予算をかけることができない中でのFacebookの活用は、今日はじめて明日売上につながるようなものでなく、中長期的に戦略を組み立て、実施していくものだと考えています。弊社では、カバー制作・投稿企画・広告配信を初期費用無料、月額3万円で、1年間かけて実施・支援させていただくサービスをはじめました。基本的な使用方法のほか、投稿の目立たせ方(トップに固定・ハイライト表示)やイベント機能・クエスチョン機能などの解説など、トータルでサポートいたします。ご興味をお持ちいただける方は、以下をご確認いただけると幸いです。

中小企業支援サービスを行う理由

以前、中小企業の経営者の方に事例をご紹介した際、「大企業や有名人の案件をしているのに、なぜうちみたいな小さいところに来たのか。大企業ばかり狙った方が儲かるぞ。」と言っていただいたことがあります。恥ずかしながらその時は即答できなかったのですが、会社を設立したときに掲げた「インターネットの可能性をすべての人々に」というビジョンがあるからです。もちろん、会社の売上は大事です。しかし、Webはお金をかけることができる大企業しか活用できないものではなく、CMや大規模な広告をうつ予算はないが素晴らしい技術・商品・サービスを持っている中小企業にこそ活用してほしいと思っています。社内にWebについて詳しい人がいないが商品・サービスには自信がある、という方のお役に立てれば幸いです。

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